ドイツ、北欧はその体格からフィジカルを重視したサッカーが多く、イタリアは堅守の代名詞になっているカテナチョのイメージがあります。 スペインは欧州各国に比べるとフィジカルで劣るといわれています。スペインのサッカーをひと言で表現するのは難しいのですが、スペインのサッカーは巧みなパス回しでゲームを上手く運んで攻め上がり、南米とは違ったテクニックで相手を翻弄するスタイルが大きな特徴といえます。個人技ではなくチームプレー、組織力がハイレベルのサッカーの根幹になっています。 チームプレーに重きを置いたスペインのスタイルは、同じようにフィジカル面のハンデを補うテクニックとスピードがある日本のサッカーは、スペインのサッカーこそがいいお手本になるといえます。

リーガエスパニョーラは世界のスーパースター達が集まる世界最高峰のリーグといわれます。レベルの高いクラブが集まり、ヨーロッパでもトップクラスに入るチームがたくさんあります。 世界で注目を浴びているＦＣバルセロナの施設や練習、試合を見てバルサのサッカー哲学を目の当たりにすれば、サッカー観も大きく変わります。ブラジル、アルゼンチン、オランダなど外国のスター選手がトップリーグに集まってくるスペインの環境は、すそ野に広がるアマチュアクラブにも大きな刺激を与えており、レベルの高い選手が集まっています。プロの下部組織だけでなく、地域クラブもプロクラブと引けをとらないぐらいレベルは高く、どのクラブも下部組織に力を入れ、プロ選手の育成に取り組んでいます。こうした各クラブの強化の成果は、スペインのユース年代が欧州や世界大会での活躍につながっており、Ａ代表は2008年にEURO、そして2010年にＷ杯というビッグタイトルを手にしました。セスクやセルヒオ・ラモス、フェルナンド・トレス、イニエスタらの若手が力をつけ、世界のトップクラスの選手と肩を並べています。またユース年代も世界に誇れる成績を収めています。充実した施設があり、レベルの高い指導者がそろい、サッカーに対する国民の熱い情熱がこうした　 息吹きがスペインにはあふれています。

そしてなによりも、温暖な地中海気候に数多くの選手があこがれ、北欧のクラブや、ドイツのトップクラブは冬にスペインに来て合宿をするほどです。真冬でも日中は太陽に恵まれた日が多く、夏も日本のようなむし暑さがなく、サッカーをするのに最適な気候に恵まれています。また、観光産業で栄えているスペインのなかでもバルセロナには、数多くの世界的な建築物、文化遺産に恵まれています。サッカーを通して歴史と文化にあふれた街、情熱の民と触れ合うことは、間違いなく大きな刺激を与えてくれます。世界最高の選手として幼少期からバルセロナで育ったメッシは「スペインこそサッカー人生を楽しむ最高のパラダイス」と語っています。